Crystallist

 

 

 

 務めを果たし帝都に戻った一行には、次なる任務が待っていた。

 宴の為に取り寄せている食材が、期日になっても届かないことについての調査と督促。先に現地入りしているはずの上官の補佐をして障害を取り除くことが、今回の任務だった。

 定められた期日のため強行軍で現場に辿り着いた一行は、圧政に苦しめられ、生きる気力すら失った人々の姿に愕然とする。

 半ば騙されるように、輸送の妨げの一因でもある怪物退治に向かった一行を、巨大モンスター達が追い詰める。

 絶体絶命の窮地、何かを決意したマイクが前に進み出るのと同時、現れた痩躯の男が圧倒的な力でモンスターを皆殺しにする。

  こんな奴らに梃子摺るのか、と蔑みの目を向ける男はシュタイフ。シェルリーゼ配下の剣士の登場に、上官は媚び諂う。何故かシュタイフは、マイクに興味を示 し、政務舎に戻ってからも彼に身の回りの世話を命じる。執政官やシュタイフ達の豪奢な暮らしぶりと、町の人々の質素な生活を目の当たりにしたリカルドは、 帝国の現実に疑問を抱きつつ帝都へ帰還する。マイクは、そのままシュタイフに連れられて王城へと向かった。

 

  豪雨に見舞われたその深夜。ぼろぼろになったマイクがフォーライツ家に駆け込んでくる。彼は王妃殺害を目論む反逆者として兵士たちに追われていた。マイク を問い詰めたリカルドは、シェルリーゼの狙いが彼の持つ生死の理である事を知らされる。嘗てそのために故郷を滅ぼされたと告げるマイクは、生死の理を守る ためにこのクリスタルを遠くに持ち去って欲しいと懇願する。自ら囮となったマイクを残し、リカルドは家人達と帝都を脱出するが、襲い来るモンスター達から 仲間を守ろうとした結果、リカルドは生死の理をその身に継承してしまう。

 森林でぼろぼろになって眠る彼らを、通りかかったランスが見つけた。

 ランスは帝都での騒ぎを聞き知っており、直ぐにピンときて彼らと騒ぎを結びつける。帰る場所をなくした彼らに、ランスはレジスタンスへの参加を提案する。

 反発はいろいろあったものの、実際に対面したレジスタンスリーダー・ビット・エクセルの人柄に触れたリカルドは、暫し彼らと行動を共にすることを選ぶ。

 しかし帝国の追跡の手は早々と伸びてきた。

  次の作戦の為にアジトが手薄になった隙を突いて帝国の部隊が強襲をかけ、偶々帰り着いたランスとリカルド達がこれを辛うじて撃退するものの、ビットは帰ら ぬ人となる。残されたエディータは、兄の死を隠し、自らが指揮を執ってレジスタンスを存続させようとする。エディータの努力は着実に実っていった。けれど 無理は長くは続かず、些細な事故をきっかけに彼女もまた重症を負ってしまう。

 エディータが 次の指揮権を委ねたのはリカルドだった。彼女はもう一人の兄・マクロであればよりよい策を立て事態を好転できると確信し、ビットとエディータの指輪をリカ ルドに委ね、彼を訪ねるように伝える。そうして、手の施しようの無い重傷の身が障害となることを嫌って、彼らの帰還を待つことなく隠れ家で自刃する。

  マクロは彼女の真意を直ぐに見抜いたが、協力には難色を示し、せめて重症の彼女を見舞って欲しいという説得に応じてリカルドたちについていく。そして予想 通りの有様に嘆息し、リカルドにあらゆる困難を想定してもレジスタンスを継ぐ意思があるのならば、その補佐として力を貸すと選択を突きつける。

 リカルドは悩んだ末これに応じ、同時に水面下での活動から本格的な抵抗の活動の狼煙を上げるべく、打ち捨てられた古城に本拠を構えることにする。

 

 

 ばっく ほーむ ねくすと

 

使用素材配布元:LittleEden