使用素材配布元：LittleEden
刻一刻と天獣達の命を蝕んでいく病は、速やかな治療を要していた。
アルフレッドは相棒と共にトクサを騎士団領に送り届け、また、薬草を求めてリカルド達とロッソを駆け巡った。しかし、彼の相棒のグリフォンも、病が完治し たわけではなかった。連日に及ぶ強行軍に疲れ、耐性を失ったグリフォンに、マイクを伴ったシュタイフが再び狂気を植えつけようとする。
皆の全身に緊張が走る。
だが、それは陽動であり、リカルドが理を用い呪いを弾き返そうとするのを狙って、マイクが彼に組みついてきた。同時に、シュタイフが 放った攻撃の手から、グリフォンはアルフと彼の仲間達をかばって絶命する。
邪魔者を遠ざけた後、マイクがしがみついた腕ごとクリスタルの宿る手を斬り落とそうと、リカルドに迫るシュタイフ。その時、操られて いた筈のマイクが、身を呈してリカルドをかばった。親友の危機に、束の間、精神の拘束を脱しての行動だった。
致命傷を負わされたマイクは、亡骸をミナルリックらに利用される事を恐れ、生死の理に我が身を破壊させる。その衝撃で負傷したシュタ イフは、舌打ちをして撤退。親友を失った二人は悲嘆に暮れて本拠地に帰る。
リカルドの受難は未だ続いた。
天獣騎士団を仲間に引き入れ、シュタイフを一度は退けたレジスタンスの次なる相手は、フォーライツ将軍の率いる第五軍団。塞ぎ勝ちになった彼を労るレック スを、何者かが毒殺しようとする。レックスは一命を取り留めたものの、リカルドは一番の従者を欠いた状態で、スカッドと対決することになった。
カーラはスカッドに刃を向けることができない。それを知るリカルドは、彼女も戦列からはずし、最初の対決を迎える。だが、消沈する彼等では猛将にはたちう ち出来ず、軍はあっけなく敗走する。夜半こっそりスカッドのもとを訪れたカーラに、スカッドはこれから先もリカルドを支えるようにと願いを託す。
自陣に戻ったカーラは、塞ぎ込むリカルドを叱咤し、覚悟をきめねばこの場で自分がリカルドを殺すと宣告。目を醒ましたリカルドは、改 めて猛将攻略の作戦を練り始める。
要となるは天獣騎士と理術使い。
物理的攻防には絶大な力を誇る第五軍団に、強いて欠けている所があるとすれば理術師の絶対数だ。当然、スカッドらはリカルド達が天獣 騎士団を味方につけたことを把握しているし、リカルドやルードなど、一部突出した理術師の存在も心得ていることだろう。
しかし天獣は傷付き、理術師は極一部のみとなれば、第五軍団ほどの部隊に対して実質的な脅威と呼べるのは士気の高さといった、非情に心もとないところばか りというのが実情。その士気ですら、先の一戦では限りなく低く、厭々ながら健闘したルードの押さえが無ければ壊滅的な打撃を受けたに違いなかった。
マクロは天獣騎士団の再編に力を注ぐ一方、水面下では理術師の獲得に人を動かした。そんな中リカルドは不思議な理術師・ヘレナの協力 を得ることに成功する。
理術師の獲得により複数の奇襲作戦を平行展開可能となったレジスタンスは、万全の体制で再戦に臨み勝利を収めた。だがそれは、リカル ドが尊敬し家人たちが慕う父との永遠の別れを意味していた。そして追い討ちをかけるように、帝都攻略を待たずにレックスも命を落とす。
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