霞の杜幻影展示場

Crystallist

story digest2

 務めを果たし帝都に戻った一行には、次なる任務が待っていた。

 

 

 

 宴の為に取り寄せている食材が、期日になっても届かないことについての調査と督促。

 

 先に現地入りしているはずの上官の補佐をして、起きている障害を取り除くことが今回の任務だった。

 

 

 

 だがしかし、定められた期日のため強行軍で現場に辿り着いた一行が目にしたものは、圧政に苦しめられ、生きる気力すら失った人々の姿だった。

 

 

 

 リカルドは執政官を問い詰めようとするが、上官に丸め込まれて付近に出没するという怪物退治に向かうことになった。

 

 名目は、輸送の妨害をする怪物を排除するため。

 

 実際は、執政官に乗せられた上官の見栄のため。

 

 上官に急き立てられ、ろくな準備も整えられぬまま怪物の巣へ乗り込んだ一行を、巨大な怪物達の群れが追い詰める。

 

 

 

 絶体絶命の窮地、何かを決意したマイクが前に進み出るのと同時、現れた痩躯の男が圧倒的な力で怪物を皆殺しにする。

 

 こんな奴らに梃子摺るのか、と蔑みの目を向ける男はシュタイフ。シェルリーゼ直属の剣士。

 

 寵姫の配下たる男の登場に、上官は媚び諂う。

 

 

 

 何故かシュタイフは、上官の振舞いよりもマイクに興味を示し、政務舎に戻ってからも彼に身の回りの世話を命じる。

 

 執政官やシュタイフ達の豪奢な暮らしぶりと、町の人々の質素な生活を目の当たりにしたリカルドは、帝国の現実に疑問を抱きつつ帝都へ帰還する。

 

 マイクは、そのままシュタイフに連れられて王城へと向かった。

 

 

 

 豪雨に見舞われたその深夜。

 

 

  

 ぼろぼろになったマイクがフォーライツ家に駆け込んでくる。

 

 彼は王妃殺害を目論む反逆者として兵士たちに追われていた。

 

 

 

 マイクを問い詰めたリカルドは、シェルリーゼの狙いが彼の持つ生死の理である事を知らされる。

 

 嘗てそのために故郷を滅ぼされたと告げるマイクは、生死の理を守るためにこのクリスタルを遠くに持ち去って欲しいと懇願する。

 

 自ら囮となったマイクを残し、リカルドは家人達と帝都を脱出する。

 

 しかし、襲い来る野生モンスター達から仲間を守ろうとした結果、リカルドは生死の理をその身に継承してしまう。

 

 

 

 森林でぼろぼろになって眠る彼らを、通りかかったランスが見つけた。

 

 ランスは帝都での騒ぎを聞き知っており、直ぐにピンときて彼らと騒ぎを結びつける。

 

 帰る場所をなくした彼らに、ランスはレジスタンスへの参加を提案する。

 

 

 

 反発はいろいろあったものの、実際に対面したレジスタンスのリーダー、ビット・エクセルの人柄に触れたリカルドは、暫し彼らと行動を共にすることを選んだ。

 

 帝国の追跡の手は早々と伸びてきた。

 

 次の作戦の為にアジトが手薄になった隙を突いて、帝国の部隊が強襲をかけてくる。

 

 偶々帰り着いたランスとリカルド達が応戦し、これを辛うじて撃退するものの、ビットは帰らぬ人となる。

 

 残されたビットの双子の妹、エディータは、兄の死を隠し、自らが指揮を執ってレジスタンスを存続させようとする。

 

 

 

 エディータの努力は着実に実っていった。

 

 けれど無理は長くは続かず、些細な事故をきっかけに彼女もまた重症を負ってしまう。

 

 

 

 エディータが次の指揮権を委ねたのはリカルドだった。

 

 彼女はもう一人の兄、マクロであればよりよい策を立て事態を好転できると確信していた。

 

 己の限界を悟った彼女は、双子の指輪をリカルドに委ね、彼を訪ねるように伝える。

 

 そうして、手の施しようの無い重傷の身が障害となることを嫌って、彼らの帰還を待つことなく隠れ家で自刃する。

 

 

 

 マクロは彼女の真意を直ぐに見抜いたが、協力には難色を示す。

 

 リカルド達への同行を認めたのは、せめて重症の彼女を見舞って欲しいという説得に応じてのものだった。

 

 アジトに帰還した一行を待ち構えていたのは、エディータの遺書と死体だった。

 

 予想通りの有様にマクロは嘆息し、あらゆる困難を想定してもレジスタンスを継ぐ意思があるのならば、その補佐として力を貸すとリカルドへ選択を突きつける。

 

 

 

 リカルドは一晩悩んだ末、これに応じることにした。

 

 マクロの提案で、彼らは本格的な抵抗の活動の狼煙を上げるべく、打ち捨てられた古城に本拠を構えることにする。

お約束の積み重ね
2022/08/21 up
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