──びりっ
布が裂けるような音がして、突然光が射し込んできた。
冷たい外気が頬をなぶる。
ずいぶん長いこと、新鮮な空気を吸っていなかったような気がする。
「沖野っ?」
複数の声が重なって。
どうやら、ちゃんと、戻れた、らしい。
眩しさに目を細めていた私は、手をかざして外を見つめた。
まだ、視界が光に慣れない。
「……おんあうんらけんそわか!」
そこに響く、鋭い声!
私は反射的に身を伏せていた。
ドゥ……ン
強い衝撃の向こう側で、見覚えのある幾つかの顔を見たような気がした。
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